今年前半に訪れた、ぜひ紹介しておきたい所第三弾です。とりあえずこれが最後です。お付き合い願います。
連日の猛暑が続いた8月8日に岩手山を登ってきました。10年以上ぶりに登る岩手山は、砂丘のような火山礫(れき)の中をもがきながら登った記憶しかなく、しばらく敬遠していたのだが、テレビでコマクサの群生している映像を見せられたら、「コマクサを見てみたいな~」と、急に登ってみたくなり今回の登山となりました。
(どの写真もクリックすると大きくなります)
朝7時、今回はコマクサの群生地を見るため焼走り登山口から登り始めます(前回は馬返しからでした)。
山の中腹を樹木の限界線が斜めに横切っていますが、それと平行するように登山道があり、そこに群生地があります。写真を拡大するとかすかに登山道が見えますよ。
登り始めてしばらくはブナなどの森の中を歩いて行きます。
登山道のすぐ脇には広大な「焼走り溶岩流」が写真のような迫力で、中腹の第一噴出口跡まで続いています。小中学生が見学のためたくさん訪れていました。
植物もほとんど生えていない不毛の地です。
第一噴出口跡から見た姫神山です。少しかすんではいますが、きれいでしたよ。
写真に写っている人は、火山礫の道が始まり苦しむ私を、軽く追い越していった若いお兄さんです。スタイルもかっこ良かったので後姿を撮らせてもらいました。 私はと言うと、Tシャツに半ズボン姿で、リュックをかついでいなければ、「犬の散歩中のおとっつあん」というかっこうで、とても人様にお見せ出来るような状態ではありませんでした(暑がりなので・・・)。
いよいよコマクサ群生地です。御覧の通り登山道の両脇にはロープが張られ、植生が守られています。
一見登りやすそうに見えますが、火山礫は足を踏み出すたびにズルズル滑り、前に進まないんですよ。
登り始めて1時間45分。 おお!やっとコマクサが見えました。
見頃は7月中旬~下旬のようなので、やはりだいぶ花は枯れていましたが、それでも所々にピンクの花を咲かせ目を楽しませてくれました。
コマクサの葉っぱだけはずいぶん有るんだけどな。
この、火山性の土壌に適合したコマクサが群生している姿を、来年はそれを見るためだけに来てみようと思った。
(今度はもうちょっと早目にネ)
東斜面から北斜面へ巻くように登山道を進んでいくと 「平笠不動非難小屋」があり、一休み。小屋のうしろには大きな奇岩がある。体力に余裕があれば登ってみたいが私には無理だ。
小屋の周辺にはイワギキョウが見頃になって咲いていたいた(かわいいね~)。疲れてヨレヨレになった足で踏んづけないように注意して観察。
小屋から外輪山に着くまでが傾斜もきつく、火山礫が、も~う頭にくるほど登りづらくて、「二度と登るもんか!」とぼやきつつ、休み休み進む。
写真は、八幡平方面を望んで。右下に「平笠不動小屋」もチラッと見えます。景色が良いから頑張れました。
やっと火口が見える外輪山に到着。頂上は目の前だ。
むろん、一周に1時間もかかる外輪山を回ってみようなどという気持ちは起きるはずも無く、頂上へ向かう。
やっと頂上だ
。疲れた~。ちょうど4時間かかった。
風もあって涼しい~。でもアブのようなでっかい虫がたくさんいて、ゆっくり休んでいられない。10匹ほど退治。
西根、滝沢、盛岡などの下界や、360度のパノラマを楽しみつつ、パンなどかじりながら1時間ほど休憩。
次から次と登山者がやってくる。皆さんも私と同じように苦労して登ってきたんだろうな、と思うと「写真撮りましょうか」と頼まれる前にこちらから声をかけてしまう。「どちらからいらしたんですか?」「いや~大変でしたね」などと話がはずむ。
汗も冷え始めてきたので、そろそろ降りようかな~。
最初は景色を楽しみつつ下る。
「あれは秋田駒ケ岳かな」などと余裕を持っていたのはここまで。下りの火山礫は油断すると滑って転ぶので大変危険なのだ。
おそるおそる歩を進めていると、今度は左ひざが痛み出した。疲れるといつものことだ、と右足を主に使って下っていたら今度は右ひざも痛くなってきた。左とは異なる痛み方だ。曲げたまま着地すると激痛が走るので伸ばしたまま歩くしかない。
「どうしよう、登山口まで降りられるかな」と本気で心配するほどだったが、なんとかダマシダマシ下山できた。心からホッとした。
下山に3時間ちょうど。下界は猛暑だった。2リットルの水も飲みきってしまっていた。
やっぱり来年はコマクサだけ見に来よう。
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