連休二日目。今日は新たな出会いがありました。
恩人への贈り物に地元栗駒の陶芸家の湯飲み茶碗を購入しましょうと、いつもこの道を通るたびに気になっていました「陣ヶ森焼」さんの工房におじゃましました。
栗駒から一迫に向かう途中の栗駒片子沢地区。
このシンプルな看板から、陶芸の窯があるんだなと思ってはいました。
行ってきました。
細い農道をずっと奥に入っていった行き止まりに、前は田んぼ、後ろは森に囲まれた趣のある萱葺き屋根の古民家がありました。
ここが陣ヶ森焼さんの住宅兼工房です。
主の鈴木さんは陶芸を始めて30年になるとか。もともとこの古民家の近くに住んでいて陶芸を始めたそうです。失礼ながら私もその存在は知りませんでした。
ご自身も、「栗原市で一番名前を知られていない陶芸家ですよ」なんておっしゃってました。
この古民家を借りて8年。廃屋同然だった家の修理に4年。ご自分で柱を新しくしたり、土壁を塗ったり。
萱葺き屋根も職人をたのんで葺きなおしたりと、やっと住めるようになったとか。
一見職人風の気難しそうな鈴木さんですが話し好きの気さくな方でした。
冬、作品作りの季節に備えて土作りの準備で忙しそうでしたが、これまでの苦労話しなど初対面の私に語ってくれました。
風情のある家なので写真を撮らせてもらってもいいですかと聞くと、「いいですよ、いくらでも撮っていいよ」とのご返事。
自分で修理して住めるようになった家を見て欲しい気持ちもあるんでしょうね。
懐かしい縁側のある風景です。
縁側に置かれた鈴木さんの作品です。
私、陶芸は全くわかりませんが、華やかさはないですが落ち着きのある色合いと肌触り。なにかホッとする作品でしたよ。
この家と同じですね。
母屋の隣の土を造る作業小屋の二階が作品展示室になっています。
窯の燃料となる薪もたくさんありました。
登り窯も二つ。右側が4年前に住みはじめた時に造ったもので、「まだ一度も焼かないうちに岩手・宮城内陸地震で割れちゃってねえ」
めげずにすぐ修理したそうです。
窯の前に焼いてる途中で割れたり、出来が良くなかった作品にならなかったものがたくさん捨てられていました。
家の中もどんどん撮っていいよ。なんて言うものですから・・・
玄関を入ってすぐの囲炉裏の間です。懐かしいね~。
この囲炉裏の造りは私の小さい頃に近所でよく見た形ですよ。
この床板や建具なども鈴木さんが別の古民家から持ってきて、この家に合わせて作り直したそうです。
工房も惜しげもなく見せてくれましたよ。
年が明けたらここにこもって作品作りに没頭するそうです。
そうそう、恩人への湯のみ茶碗はどうなったかですが。今月行われた東京での個展で、茶碗はすっかり売れてしまったそうで、在庫は無いとのこと。残念!
作品室には大皿、小皿、花器、徳利、しょう油射しまで、今すぐ使ってみたくなるような作品がありました。
毎年春には家全部を使った作品展を行うそうで、案内状を出すからと言うことで私も住所を残してきました。
この家の風景を含めて、春になるのが楽しみです。
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