防潮堤で人と海が切り離される
東日本大震災から3年が過ぎ、徐々にではあるが復旧復興が進んでいる(ように思う)。
だが、これだけはやめてくれと声を大にして言いたい。
宮城県知事よ「いま建設しようとしている防潮堤は自然を破壊し、人と海を切り離すものだ。即刻別の方法を考えよ!」と。
気仙沼市の小泉地区、震災前は海水浴場があり夏は多くの海水浴客であふれ、一年通してサーフィンの名所でした。
そこに高さ14.7mの防潮堤を造るという。
(NHK東北Z「防潮堤 住民たちの模索」の映像を引用させてもらいます)
こんな完成図。
海岸と津谷川沿いに5階建てのビルに相当する防潮堤を230億円をかけて造るのだ。
50年~150年に一度やって来る津波のために。
しかも住民のすべてが高台移転して、堤防が守るものは田畑と道路ぐらいなのに・・・
大津波から徐々に海岸もきれいになってきていたし、多くの海鳥や渡り鳥が羽を休めていた砂浜。(これは昨年私が撮った写真)
震災前にはあまり見られなかったアサリやカニが多く見られるようになってきたと言うではないか。
この上に14.7mですよ!
20年前に北海道南西沖地震で津波の被害にあった奥尻島の沿岸に造られた防潮堤。
高さは11mあるそうですがこれよりも高い。
奥尻の住民が防潮堤を選択した後悔の声が。子供たちに可哀そうなことをしてしまったと・・・
陸からも海が見えず、海からも陸が見えず。
住民側からは国道を盛土して防潮堤代わりにし、海水浴場や動物たちが憩う湿原を残そうという代替え案を出したが、設計変更となるとさらに半年~1年着工が遅れると突き返された。
震災から3年、住民たちは避難所・仮設住宅の生活で心身ともに疲弊し、一刻も早く自分の家を建てて住みたい、そうしなければ将来も見えない。
防潮堤ができなければそれも進まないらしいという風評も流れ切羽詰まった状況に立たされ住民の多くは防潮堤の建設に合意せざるを得なかった。
複数の案があったわけでもなく、防潮堤一偏等の案しか提示せず、疲弊した住民にこれを認めなければ復興が遅れるんですよと、合意せざるを得ない状況に追い込んでいながら、
宮城県知事の記者会見のでの言葉「みなさん勘違いしないでくださいよ、住民の声は圧倒的に「造ってくれ」これが民意です」だと。
あんたを見損なったよ。
さらに続けて、「全体の利益を考えながら・・・」と言っていましたね、あなたの言う全体とはなんなのですか。
小泉の海も海岸も、人も生物も集まることのない無機質な場所にして全体の利益って何なんですか。
松下政経塾では自然を大切にしましょうなんて授業には無かったんでしょうね。
日曜日の夕方のニュース番組バンキシャでも、大谷海岸でも9.8mの防潮堤を建設する予定に対し、若者たちが「海が見えなくなる」と見直しを要望したのに対し、砂浜は30~60mの幅で残しますなんて言って、しかも防潮堤の内側は盛り土もして高くするから海も見えますよなんてフリップまで用意して・・・。
あきれましたね。
この人、海と人間の関わりって知らないんでようね。
30~60mの幅の砂浜に立って後ろを見れば3階建のビル並みの堤防が連なってるところで海水浴して楽しいわけないじゃないの。
住民たちが言ってる「海が見えなくなる」というのは沖の方の海だけじゃなく波が打ち寄せる海岸・浜辺が見えて、しかもそこで海と触れ合うことができなくなることを言ってるんだよ!
浜辺で泳いだり、釣りをしたり、彼女と散歩したり、子供といっしょにカニをつかまえたり、夕日に向かってバカヤローと叫んだり・・・海とはいろんなふれ合いがあるんだよ!
人だけじゃなく多くの生き物にも影響してくるんだよ。
せっかく戻りかけている海岸の自然を壊すことの無いように。私たちもその一員なんだから。
未来にの東北の海岸のことを考えて判断してくれよ。
防潮堤以外の方法も他にあるはずですから。
もっと言いたいことあるけど、また次回・・・
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